苦しい記者会見だった。日本銀行の植田和男総裁が1日夕におこなった会見は、日銀がめざす方向性を見失ってしまったのではないかと思えるような、そんな歯切れの悪さが目立った。
日銀はこの会見に先立って、金融政策決定会合(年8回開催、メンバーは総裁以下9人)を開き、政策金利0.5%の「現状維持」を決めた。
実は植田総裁はほんの2カ月前まで、この5月会合で政策金利を0.25%幅引き上げるシナリオを描いていた。トランプ・ショックでそれを放棄せざるを得なくなった。
不確実性は高いが政策は微修正
この日、植田総裁が明確にし…